支障物管理システム(OBCS)はSmartALCの拡張機能です。支障物設置区間においてオペレーターの支障物回避動作(作業装置の禁止等)および支障物データの同期・管理を補助します。OBCSシステムをP-IC制御システムに統合することで、作業安全性は高くなります。支障物管理システムはP-ICおよびSmartALCのインターフェースから操作可能です。OBCSはSmartALCのホーム画面よりアクセスし、設定線形および支障物データはフロントオペレーターにより同時に読み込まれます。
支障物は前部運転室および作業運転室それぞれのSmartALCの作業モード画面において距離ベースのグラフとして表示されます。機械前方80mの作業区間における支所箇所が簡単に確認できます。近接する支障物が種類によって指定可能な色で表示され、その支障箇所において使用できない作業装置が橙色で表されます。
SmartALCの画面以外に作業運転室内のP-IC画面に現在ロックが掛かっている装置が表示され、作業位置前方3mにある支障物を確認できます。必要であれば、支障物データに基づいた装置の動作をブリッジすることが可能です。
また近接する支障物に関する事前音声警報を鳴動するスマート音声警報システムが作業安全性をさらに向上させます。
仕上りおよび作業実績はDRPデータ記録システムにより記録されます。規定した支障物はDRP のグラフにおいて、アイコンとして表示されます。チャートの印刷物にも同様のアイコンを記載します。
* SmartALCは、使用する保守機械の種類によって、ディスプレイのサイズとインターフェースが異なる2種類が用意されています。
OBCS用データはPlasserSmartMaintenanceデータ総合管理プラットフォームを通じて直接的またはUSBメモリを用いて間接的にSmartALCに入力できます。支障物データは種々のシステムおよびデータベース(橋詰機工社製手検測装置、東京計器社製データデポシステム、各鉄道会社の設備台帳、支障物検知センサーシステムからのデータ等)から供給可能です。インポートされたデータは入力時に同期・整合・保存されます。入力された支障物データが不正確な場合、オペレーターによる訂正・補正も可能です。支障物データの補正は同期され、その後の支障物の距離程は自動的に補正されます。PlasserDatamaticデータ伝送装置を通じて補正データがクラウドサービスに送信され、自動的に整合されます。しかも補正データの自動整合だけでなく、機械をPlasserSmartMaintenanceに接続すると、支障物データおよび線形データに基いて、推奨する作業手法など(レールの種類もしくはその他諸々の条件に基づく最適なスクイーズ圧・時間、タンピング深さ等)の表示が可能となります。自動保線作業への大きな一歩です。