予測のできるメンテナンスシステム(予知保全システム)では、高い修理費や機械の重大な欠陥を予知できます。大きな損害が出る前に、適切な時期に予防措置を取ることができます。
当社の機械は、かなり前から作動パラメーター、GPSの位置情報、作業方向、エンジンデータ、燃料の残存量、作動油圧などに関する重要なデータをリアルタイムで監視することができます。保有車両全体の状況に関する最新情報は、オフィスからでも確認できます。得られたデータは保存して、貴重なデータベースとして利用できます。
これらを活用してCBMに向けた具体的な作業指示を導き出すには、こうしたデータが評価される必要があります。これは、保線作業では今まで全く手つかずだった工程です。P&T Connected社は、初めてこの分野に本格的に取り組んでいます。
社は、保線機械の予知保全を実現するために、主にデータの記録、処理、評価の記録の開発に取り組んでいます。プラッサー&トイラー社の最も新しい子会社である同社は2017年1月に設立され、従業員数は設立当時の7名より倍以上にも増えました。情報学をはじめ、物理学、数学、統計学を専門とするこの若手チームは、「オーストリアのシリコンバレー」と呼ばれるハーゲンベルク専門単科大学のキャンパスに本拠地を置いています。
こうした技術の活用例は数多くありますが、例えば消耗部品を経済的に適切な時期に交換するのに役立ちます。そのベースとなるのは、センサーから得られる負荷データです。負荷データを見ると、消耗部品が機能しなくなる時期がわかります。そしていつ、どの部品の交換が必要であるかが事前にわかります。ダウンタイムや機械の故障が低減し、鉄道事業者とインフラにとってはメリットとなります。
以前は熟練技術者だけが早期に決断できたことが、今や信頼のおけるデータをもとに決めることができます。
このような方法であれば、保有する機械全体のメンテナンスも基本的に行うことができます。そうして基準メンテナンスから状態基準メンテナンスへの移行が可能になります。 P&T Connected社がデータ分析を行い、それに基づいた提案や助言が出されます。