today 日本語版 2019/1

インフラと機械の全ライフサイクルを支えるために

スマートメンテナンス

デジタル化により、インフラ運営者、建設会社、サプライヤーの連携が新しい時代を迎えようとしています。可用性と透明性はその重要な柱であり、予防策の策定は直接的な利益をもたらします。

2017年の国際鉄道技術展示会(iaf 2017)で初めて紹介された私たちの新しい「PlasserSmartMaintenance」イニシアチブの活動は、ますます拡大しています。そこで開発されたアプリは、すでに一部の分野で実用化されているものもあります。メインプラットフォームは、ネットワーク化されたクラウドソリューションで動くアプリとウェブサービスの両方で成り立っています。個々の機械、車両、インフラに関する重要なデータへの簡単なアクセスが特徴です。

高性能アプリ、オンラインでの可用性、バーチャルツールは、デジタル時代には不可欠です。スマートメンテナンスは、意思決定者とオペレーターの双方にとって、ますます高まる要求に対応するための適切なサポートとなります。複雑な機械技術を簡単に操作する―それが私たちの目標です。


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機械に関する全ての情報

現場責任者や工程管理担当者にとって、機械の位置や重要なパラメーターをリアルタイムで知るのは重要です。最近では、モニタリングサービスを提供するプロバイダーが数多く存在します。「PlasserDatamatic」はこれまでGPS情報やエンジンデータ、燃料の残存量、作業パラメーターの標準的なインターフェースでした。

そうした中、まもなくPlasserDatamaticの新バージョンが登場します。それは機械情報、通知、分析のためのブラウザベースのユーザー・フロントエンドです。世界中のお客様の声をもとに改良されたさまざまな機能があります。

単一アクセスポイントとして、Plasser­Datamaticは以下のサービスを提供します。

  • ジオフェンス:「Open Railway Map(オープン世界路線図)」をベースに機械の作業範囲を定義することができます。この範囲に到達したり、超えたりすると、例えばメッセージが発信されます。責任者はこうしてスケジュール通りに作業が進んでいるかどうか、正確に把握することができます。
  • 最新のイベントログ:一週間分の機械のログエントリーを閲覧・追跡できます。
  • 統合された操作サポート:一台の機械に関する全てデータを単一のアクセスポイントから利用できます。操作マニュアルはPlasserDatamaticに搭載されています。
  • イベントウィキ:ピアサポートのためのコミュニケーション機能。よく入力される事項を記録することができます。コメントが各オペレーターへのよいアドバイスとなります。
  • 自由にカスタマイズできるダッシュボード:ユーザーはそれぞれ機械パラメーターをダッシュボードに選び、自分の使いやすいディスプレイに設定できます。
  • 保守管理:MachineMaintenanceGuide(MMG)機械点検用のアプリのレポートを一元管理できます。写真、チェックリスト、メモからオーディオファイルまで利用できます。

「鉄道建設機械は、ますますインテリジェンスを持つようになっています。私たちは品質と信頼性を高め、自動化と透明性を求めるお客様の声にお応えするために、デジタル化の可能性を模索しています」

PlasserSmartTamping – The Assistant
タンピングのデジタル時代の開幕

このシステムでは、マルタイの前頭部にあるレーザースキャナー、カラーカメラ、レールプロファイルセンサーを用いて分岐器がスキャンされ、補助ソフトウェアを用いてデータを評価します。全ての分岐器と支障物が検知され、リフティング・ライニングユニット、追加リフティングユニット、そして実際のタンピングユニットのための適切な作業提案を提示します。

メイン作業運転室のサポートパネルには、分岐器画像を用いて作業提案が表示されます。緑のハイライトは、システムが提案を承認したことを示します。オペレーターは作業提案を承認し、下降ペダルを踏みます。安全確保のため、提案に何らかの食い違いが認められる場合には赤で表示されます。このサポートシステムは、リアルタイムで作動します。事前検測や補助タンピングオペレーターを特に必要としません。

例えばタンピングツールの方向転換などの動作は、すべてサポートシステムを使って行います。システムはレール3線リフティングやレール4線タンピングを操作し、鉄道インフラ管理事業者の基準に基づいたタンピング計画が実施されます。タンピング記録には品質に関する全ての情報が記録され、オープンフォーマットのレイヤー付きPDFで利用できるようになります。

機械操作

「PlasserSmartTamping ― The Assistant(プラッサースマートタンピングという自動タンピング作業支援システム)」のような新しい分析システムが、機械のオペレーションシステムを管理するオペレーターをサポートします。マルタイの全ての作業装置が、分岐器の保守作業の際にサポートシステムによって制御されます。オペレーターは、システムが推奨する操作指示を承認すればよいだけです。深刻な結果をもたらす操作ミスが生じるリスクが、これで劇的に減ります。ただし、常に手動介入することもできます。

この新しいサポートシステムで、私たちは多くのお客様の声にお応えしています。鉄道インフラ運営者は、分岐器のタンピングにおいて、透明性、工程の安全性、品質を求めています。鉄道事業者は、タンピング工程の自動化や職場の質の向上、そして可能であれば現場オペレーターの削減を望んでいます。私たちはこうした全ての面において一歩前進し、デジタル化がもたらすさまざまな可能性を活用しています。

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保守と交換部品のためのツール

保線機械の保守点検作業は、機械の可用性を高めます。時間が押しているときは、正しい情報があれば、すばやく適切な交換部品を探し当てることができます。そのために、私たちは「SmartCatalog(デジタルパーツリスト)」アプリを開発しました。

機械の保守管理については、新しいメンテナンスアプリ「MachineMaintenanceGuide MMG」の利用で、透明性の高い情報管理ができるようになります。書面によるメンテナンス記録は、紛失することが多かったり、十分な内容でなかったりしました。そのため、鉄道事業者やメーカーにとって、機械の動作の信頼性を評価するのは非常に困難でした。今ではどの対策が推奨され、実行されるべきかが明確に記録されます。MMGは現在、タンピングユニット向けに限られていますが、今後は機械全体に適用できるよう機能が拡張されていきます。

私たちは、すでに仮想軌道「Virtual Track」の開発に取り組んでいます。これにより、保線機械とインフラとの連携面で新しい道が開かれます。

インフラストラクチャー

保守対策では、周辺環境データ、形状データ、作業パラメーターといった膨大なデータが発生します。こうしたデータから、私たちはお客様のために「SmartData」を作成しています。ライフサイクルマネジメントとRAM(Reliability/信頼性、Availability/可用性、Maintainability/保守性)に基づく評価には、このデータソースが必要です。

鉄道事業者にとって、保守管理に関するコスト削減や時間短縮はますます必要となっています。線路の使用が可能かどうか、それが別の交通機関に対する鉄道の競争力の鍵となるためです。私たちでは、すでに仮想軌道「Virtual Track」の開発に取り組んでいます。これにより、保線機械とインフラとの連携の面で新しい道が開かれます。実行された作業内容の質は、事業依頼者が直接確認できます。危険地帯での人員を減らし、監視作業は安全なオフィスで行えばよくなります。インテリジェントな評価方法と連携して将来の見通しを見ることで、鉄道分野での予知保全対策についての分析や提案ができます。

2018年春、プラッサー&トイラー社は初めて独自の検測試験車両「EM100VT」を開発しました。VTとは、Virtual Trackのことです。この車両は、新しい検測システムの開発とテストのためのサポートプラットフォームであり、デジタル製品開発の重要なベースとなります。


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