today 日本語版 139

いつでもどこへでも

今日はここ、明日はあそこ。軌陸タイプのマルタイなら、回り道をせず、道路を通って素早く柔軟に対応することができます。都市部や産業向けの機械です。

道路を走行できる保線機械、コンパクトな設計の大型機械、特殊なユニバーサル型マルタイ。一見ちぐはぐな表現ですが、いずれも「Plassermatic 08-275 ZW」と「UST 79 S」という2つの機種に通じるものがあります。都市部と高速道路を自在に移動し、特殊な作業をこなすこれらの機械は、異色のユニバーサル型マルタイです。

都市部で活躍、高速道路を運搬走行

鉄道輸送の広大な世界に存在するのは、大規模な鉄道網や長い路線だけではありません。都市鉄道ネットワークや産業鉄道、臨港鉄道、狭軌の鉄道区間などが数多くあり、そこでは主に道路を走行できる保線機械が活躍します。前述の万能型機械は低床トレーラーやセミトレーラーに載せ、狭い場所での作業が必要な現場へ迅速かつ直接搬送することができます。いずれもマクラギ1丁突きユニバーサル型タンピングユニットを備えた大型機ですが、全長は約12.6mまたは約14.6mと非常にコンパクトであるため、道路での移動や運搬車の運転がしやすく、寸法、最大積載量、高速道路での最低速度に関する規定に準ずるものです。狭い都市部や交通の多い場所でも、このユニバーサル型マルタイは邪魔になりません。また、自動ガイダンスコンピュータ「SmartALC」やデータ伝送装置「Plasser Datamatic」、データ記録装置「RedBox」など、大型機の機能として定評のあるデジタル機器も標準装備されています。そして機械自体、高精度・高効率で動作します。非常にコンパクトな設計でありながら、必要な測定装置や作業ユニットを全て搭載した機械です。しかも軌陸両用です

道路から線路へ 早変わりする軌陸車

 道路走行から線路走行への切り替えは、わずか数分で完了します。その際に必要なのは、舗装またはアスファルト舗装された短い区間だけです。Plassermatic 08-275 ZWは純粋な鉄道車両です。車両は車体の四隅にある長い昇降装置を用いて自律的にジャッキアップし、その下に一般的なセミトレーラーの荷台部分を配置して積み込まれます。作業開始時にも、やはり自律的に載線します。作業方向を変えなければならない場合や、載線の際に狭い踏切しか利用できない場合は、ターンテーブルの付いた車体中央の油圧式昇降装置を使ってその場で方向転換できます。その他の軌間やY型鉄マクラギを使用した区間向けの仕様の機械もあります。

 UST 79 Sは、これとは別の構造を持つ機械です。片方の端には油圧式で伸縮する3本の車軸から成る道路走行装置、もう片方の端には一般的なセミトレーラーの連結装置に対応するピボットがあります。現場では3軸の駆動装置が格納され、線路用のボギー台車(標準軌または狭軌向け)が載線します。トラクターが分離されると、それまでセミトレーラーだった機械は連結部分の側も油圧式でボギー台車の上に配置されて載線が完了します。

プラッサー&トイラー社の1万7000台目の機械

 Plassermatic 08-275 ZWはヨーロッパ数か国のお客様向けとして、これまでにやや異なる仕様でも製造されています。スプリットヘッド型タンピングユニットを装備しているため、一般軌道にも分岐器にも使用できます。機械は類似した用途向けに標準化されており、世界の基準を満たす仕様になってはいますが、設計上の違いもあります。例えば、ポーランドでの運用が予定されている機械は、やや低い設定の重量制限を満たします。そのため、同国内での搬送に特別な許可は必要ありません。機械を運用するのは、ポーランドのGór-Tor社(本社・オルシェヴォボルキ)です。今回新たに機械を調達したのは、ポーランドで急速に増加している都市鉄道網のメンテナンス需要に対応するためのもので、競争力強化につながるとされています。

道路走行装置を備えたUST 79 S

ユニバーサル型マルタイUST 79 Sはその特性上、数十年にわたって特に都市部の鉄道網で成功を収めてきた機種です。開発を重ね、常に最新の技術が用いられてきました。UST 79 Sは、特定の箇所の作業や区間ごとのタンピング作業に適しているほか、分岐器を用いずに別の軌道へ移ることができます。

その他の軌陸タイプ

プラッサー&トイラー社は、それぞれの作業に特化したその他の軌陸両用機械も製造しています。「Plasser FlashTruck」は軌陸車をベースにしており、線路や道路にアクセスできる場所であれば、どこでもすぐに質の高いフラッシュバット溶接を行うことができます。悪天候の後に全路線の復旧工事が必要な場合や、駅一帯を大々的にリニューアルする場合、道床交換システム「ZRM 350」と拡張可能なクローラーを備えたホッパー車「MFS 40/4 ZW」が活躍します。レールもマクラギもない場所でも使用でき、威力を発揮します。


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