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ロングレールに革新をもたらすパートナー

長年培われてきた当社のフラッシュバット溶接技術は、「Plasser FlashWelder」の誕生で新たな時代を迎えようとしています。小型軽量化に加え、操作性と総合的な性能の向上を実現した新型の溶接ヘッドです。

 高い溶接品質、堅牢な構造、柔軟な適用性は、プラッサー&トイラー社製の溶接機がもたらすパフォーマンスの特徴です。当社の溶接技術はユーザーに人気があり、数々の実績を上げてきました。2011年に前世代のフラッシュバット溶接車「APT 1500 R」を発表して以来、その技術は20台以上の溶接機に活用されています。同シリーズの軌道型機械の第1号機は、スヴィーテルスキ社(Swietelsky AG)に納入されました。同社はこれまでにこの機械で約2万箇所の溶接を行い、その多くが三次溶接でした。

 プラッサー&トイラー社は溶接品質を重視しながら技術開発を続けており、多くの作業現場でその質の高さを実証してきました。例えば、こう上や規格に準拠したバリ取り、三次溶接などです。

 さらに、当社は溶接ヘッド関連の全てのコンポーネントを分析し、最適化の可能性を探るようになりました。その際、お客様からのご意見や世界各地のさまざまな動作環境に由来する要求も考慮しました。そこで生まれたのが、新しいPlasser FlashWelderです。これにより、当社の溶接技術がまた一歩前進しました。使いやすく、構造がコンパクトになったことで、パフォーマンスが向上しました。

最適化されたデザイン より軽く、コンパクトに

 新型の溶接ヘッドは、従来のものに比べてかなりコンパクトになり、重量も一段と軽くなりました。小型化により、柔軟性もさらに高まりました。しかも使用する部品が少なくなったため、溶接ヘッドの重量は3分の1以上カットされ、3500kg以下にすることができました。この最適化された構造のおかげで、全体の操作性が大幅に向上したというわけです。

 溶接ヘッドの位置決めを迅速に、また断面形状を変化させることなく行えるようになったのも進歩です。コンパクトな設計のおかげで、マクラギ端部に仮置きされたレールを隣接線の運行中に溶接することができます。軌道上に置かれたレールも溶接可能です。しかも鉄道や道路を用いた搬送でも有利です。マニピュレーターの吊り上げ荷重が少なくてすむためです。将来的にはさらなる小型化・簡素化も見込まれています。新しいPlasser FlashWelderを搭載した機械では、こうした最適化によって軸重を低減することができます。

操作しやすく、レールの調整も簡単に

 溶接する2本のレールの両端面を同期して緊張させる(クランプする)方法は、これまで使われてきた非同期の方法と比較して、いくつかの利点があります。まず、クランプがより軽く、コンパクトになったのに加え、レールの横方向の安定性が向上しました。

 新しい機能として、フリクションホイール使った調節可能なリミットストッパーでレールの位置を調整できるようになりました。これにより作業が迅速化し、操作がしやすくなり、レール同士の調整も簡単になるなど、多くのメリットが生まれました。また、芯出しやキャンバー調整は作業開始時に一度行うだけでよく、同じタイプのレール溶接は全て同じ設定で続けることができます。

 さらに、この部分のセットアップの簡略化により、溶接ヘッドのメンテナンス性も大幅に向上しました。

用途に応じた環境設定

 溶接機の用途は国や地域ごとに大きく異なります。そのような違いを克服するために、当社はモジュール化のコンセプトを採用しています。軌道の敷設・更新の際に仮置きされたレールの溶接や、ロングレールの三次溶接、摩耗したレールの部分交換、レールの工場溶接など、各シーンに応じた多彩な設定オプションがあります。

サステナブルな給電システム バッテリー式またはハイブリッド式の溶接電源

 当社では、排出規制の厳しい国や作業現場向けにバッテリー技術を搭載した機械を提供しています。純粋なバッテリー駆動、またはハイブリッド駆動(バッテリーと小型発電ユニット)での溶接工程が可能です。発電ユニットの定格出力が低いため、機械の排出量(CO₂排出など)を大幅に削減することができます。

 このシステムはさまざまな場面で活用できます。

  • 電気駆動のみでの溶接(トンネル内での作業など)
  • ハイブリッド駆動(軌陸タイプの場合など)
  • 運搬車両の内燃機関から独立した溶接電源供給
  • 発電機ユニットは連続運転で、溶接の合間にバッテリーを充電。この場合、バッテリーはピークパフォーマンスをカバーするために使用

溶接ヘッドに適した車両

 当社ではPlasser FlashWelderの溶接ヘッドに加え、あらゆる場面に対応できる運搬車両を提供しています。車両には溶接電源用のコンポーネントが装備されています。現場への安全な搬送に欠かせない要素です。また、柔軟性の高さも多くのユーザーが軌陸タイプの溶接機を選ぶ際の決め手となります。軌道をスピーディーに自動搬送できる点は、軌道型機械に比べてメリットが高いといえます。コンテナを利用したシンプルな設計で、ほぼ全てのフラットヘッドトレーラーに搭載できるため、少ない予算ですみます。

新しいPlasser FlashWelder

  • デザイン >> よりコンパクトに、より軽く、操作もよりシンプルに
  • モジュール設計 >> さまざまなオプションでカスタマイズ可能
  • センサー利用の縮小 >> 手間いらずのメンテナンスで可用性が向上
  • 同期制御・芯出し調整 >> 操作性の向上

多用途利用で高まる付加価値

  • 作業中の軌道の外側に置かれたレールの溶接 >> 隣接線の列車は運行を継続
  • 軌道の中央に置かれた2本のレールの溶接 >> 柔軟性の向上
  • 新旧レールの溶接 >> 柔軟性の向上
  • オプションで三次溶接も可 >> 柔軟性の向上
  • レール頭部・腹部の微調整 >> 負荷状態でのゲージコーナー変更が可能に

車両を含む総合パッケージのメリット

  • 溶接ユニットの軽量化 >> マニピュレーターの小型化
  • 溶接ヘッドを車両本体に対して直角に昇降可 >> 運転室からの良好な視認性を確保
  • 軸重の低減 >> 輸送時の柔軟性の向上

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