EuProGigantは、ヨーロッパで計画中のITインフラGaia-Xを製造現場で活用するというリーディングプロジェクトです。当社はその活用方法について2つのシナリオを想定し、製造工程におけるビッグデータの利用と、保線機械を用いてデータを継続的に収集‧送信する可能性について詳しく調べています。
当社では、リンツ工場での最新タンピングユニットの製造と予防保全の一環として、CNC機械加工でのGaia-Xを用いたビッグデータ処理について研究しています。それと並行して、自社の技術センターが学術界と産業界の諸パートナーと連携し、検測車「EM100VT」を用いた実験を行っています。実験は、軌道形状などに関するセンサーデータをモバイルネットワーク経由で、あるいは将来的にはWLAN経由でGaia-Xに送信しようというものです。データはタイムスタンプや位置情報とともに、そこから取引先やパートナー企業に迅速かつ効率よく安全に提供されることになります。
今や鉄道業界は、これまでの概念を根底から覆すような技術革新の時代に直面しています。当社の新技術(開発)責任者フロリアン‧アウアー氏は「これまで以上に迅速かつ正確な方法で、機械に高いパフォーマンスを発揮させる」ことが課題であると話しています。
「当社の機械は作業中に測定を行えなければならず、従ってロボットのように機能し、AIを備えている必要があります」それには製造と運用の際に収集したデータを活用できるようにし、当社が活動を展開させている109か国の市場で知見を得ることで、ビジネスプロセスの効率化を図っていきたいとアウアー氏は述べています。
ヨーロッパの巨大な製造ネットワークの構築を目指す研究プロジェクトEuProGigantは、ヨーロッパの産業界において高いセキュリティレベルでのビッグデータ活用を行う可能性を可視化するものです。実施期間を4年とし、860万ユーロの予算が確保されています。ヨーロッパ諸国の連携型マルチクラウドインフラGaia-Xの構築に向けたリーディングプロジェクトと位置づけられ、保存データの安全性を損なうことなく、データ駆動型アプローチに基づくインダストリー4.0のメリットを活用していくことを目指しています。