today 日本語版 138

独創的なコンセプトで実現  40年にわたり走行可能な中東の線路

多くの技術が短期で頭打ちになる中、除砂車(SRM)の開発は本格的に動き出します。

 鉄道軌道に砂が堆積すると、非常に危険です。線路は通行が困難になったり、脱線を未然に防いで平常運転をするために閉鎖が必要になったりします。プラッサー&トイラー社は早くも1970年代末、常に自由な走行を実現させる確かな技術への需要が高いことに目を付けました。そこで誕生したのがSRMです。これまでに15台が5か国に納入され、高い評価を得ています。当社のプロダクトマネジメント責任者トーマス‧グルーバー氏は、次のように話しています。「世界的に見ればニッチな分野ですが、特定の気候帯で活動するインフラ運営事業者にしてみれば、実に重要な技術です」

 この機械のポテンシャルの高さは相当のものです。従来技術ではすぐに性能の限界に達し、いくら前進速度を高めても改善を図ることができませんが、SRMは前進速度とは関係なく、機械が停止するまで砂をかき分けて進みます。トーマス‧グルーバー氏は次のように述べています。「機械がうまく機能するためには、2つのことが重要です。まず、前進速度に関係なく連続的に砂を回収できること、それからできれば主な風向きを考慮しながら、線路の左右どちらかに砂を廃棄できることです」 

軌道の砂以外も

 SRMは、砂のほかにも落下した貨物やバラスト、その他の緩い状態の堆積物などを軌道から除去し、列車の走行安全性を確保します。回転式レール締結装置用ブラシを装備しているため、レール締結装置付近も整理することができます。

単線区間での作業も自由自在

 SRMは長い単線区間で砂の除去を行うことが多いため、開発の段階で柔軟性の高いソリューションが求められました。そこで生まれたのが、シンプルでありながらも優れた技術です。回転盤を利用して機械全体を軌道の中心から持ち上げ、作業方向を変えるというものです。また、オフトラック装置により、通過する列車のために一時的に線路を空け、その後すぐに戻って作業を再開することができます。

 このように、SRMは最先端の機械技術を駆使したものであり、そのコンセプトは誕生当時と同様、今もなお新しさを失っていません。


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