フリードリヒ・ハルトマン
ハーバーコルン・オーストリア社 シェルブランド潤滑油事業部長
機械の長寿命化やコスト削減のためには、お客様がお使いの潤滑剤の交換周期を延ばす措置が非常に効果的です。機械にダメージを与えずにそれが可能であるかについて詳しく取り上げる前に、まず潤滑剤とオイル交換に関する予備知識をご紹介したいと思います。
潤滑油はベースオイルと各種添加剤で構成され、特定の機械の要件に合わせて調合されています。作業を効率的かつ持続的に行えるよう、エンジン、ギアボックス、各コンポーネントをできる限り元の状態に保つためのものです。機械を運用していると、潤滑油とその添加剤は時間とともに劣化していきます。そのため、部品の表面を保護する耐摩耗添加剤などが劣化し、油の劣化生成物が機械に堆積してしまうことがあります。また、機械の運転中に外部から汚染物質が侵入したり、温度変化により結露が生じたりすることもあります。そこで、機械から不要な不純物を取り除くために、または新しい添加剤を注入するために、定期的なオイル交換が必要となります。
オイル交換は、原則としてメーカーが指定する時期を目安とするとよいでしょう。これは経験値や分析に基づいて定められたもので、低品質の潤滑油や汚染物質の侵入から機械を守る役割を果たします。プラッサー&トイラー社もシェルブランドの潤滑油の特約店である当社も、ともにお客様の側に立ち、オイル交換周期をできるだけ延ばすべきであると考えています。そうすることで、お客様の機械の可用性が向上し、メンテナンス時間が短縮され、コスト削減と環境負荷の低減にもつながります。
優れた潤滑油は、指定のオイル交換時期を過ぎても非常に高い品質を維持していることがあります。そのため、プラッサー&トイラー社と当社では、推奨されるオイル交換時期にオイルの品質を確かめる分析を行っています。これにより、オイルがどのような状態であるか、また交換が必要であるか、それとも使い続けられるかどうか、詳しく知ることができます。さらに、お客様の機械の「健康状態」も把握できます。
こうしたことからも、メーカーが推奨するオイル交換時期は絶対というわけではなく、オイルを分析する時が来たという合図だと考えるとよいでしょう。うまくいけば、オイル交換周期を大幅に延長することができます。
ただ、気をつけたいのはオイル交換が遅れた場合です。潤滑油は、寿命を過ぎると役割を果たさなくなり、機械にダメージを与えてしまいます。そうした場合、修理、ダウンタイム、作業の遅延、イメージダウンなど諸々の要素が加わり、予定のオイル交換にかかる費用が何倍にも膨れ上がります。従って、オイル交換は遅くなるよりも、早すぎるくらいのほうがよいでしょう。オイル分析を行うことで、何らリスクを冒すことなく実際のオイルの寿命を把握し、運用上の効率を高めることができます。
オイル分析や機械のメンテナンスサービスについて、これで一層ご関心をお持ちいただけたことと思います。
ご質問やお問い合わせは、cs@plassertheurer.com(日本語可)までお寄せください。
オイル分析は、潤滑油とお使いの機械の健康診断のようなものです。オイル交換周期を延長できるか、機械がどのような状態にあるかを調べます。
Shell LubeAnalystは、シェル社が世界中で提供しているオイル分析サービスです。Shell LubeAnalystとオイル交換周期の延長に関する詳細は、プラッサー&トイラー社現地法人のカスタマーサービスまでお問い合わせください。