「機械の引渡しから2021年8月までの間に、主に9号線などですでに237キロ以上の距離をUnimat 09-4x8/4S Dynamicを使って作業しました。クオリティにも作業のスピードにも満足しています」
エウゲニウシュ・ドンベク氏
PPMT社 機械部門責任者
ポーランドの鉄道網は、ヨーロッパで4番目の規模です。現在、ポーランドの鉄道史上最大となる投資計画が進行中です。さらに2027年には、新しい大型の空港がオープンすることになっています。空港はちょうどワルシャワとウッジの中間に位置します。投資計画は、この2つの都市を結ぶ新しい高速鉄道の建設により、空港への接続を確保しようというものです。これには短距離の国内航空路線を廃止する狙いがあります。ポーランドの鉄道網と鉄道用地の大部分を管理するポーランド国鉄のグループ会社PKP PLK社によると、1600キロに及ぶ路線が新設される予定です。
同社はその準備と保守管理のために、高性能の保線機械を必要としています。
ZRK DOM社、DOLKOM社、PPMT社は、いずれもPKP PLK社が100%所有する企業です。各社ともプラッサー&トイラー社製の機械を選びました。PPMT社とDOLKOM社はそれぞれUnimat 09-4x8/4S Dynamicを、またZRK社はUnimat 09-4x4/4S Dynamicと09-3X Dynamicを1台ずつ購入しました。
これらの新しい機械は、当社のモジュール設計システム「ModularCustomizing」の製品ラインから初めてポーランド向けに提供されたものです。タンピングユニットの回転数の調節機能、SmartALCと線形データ記録システム(DRP)、カーブレーザー(CAL)を搭載しています。新たに調達された当社の機械は、いずれも完成後の目標速度を時速200キロとする路線で活用される予定です。ポーランドの高速鉄道路線での作業は、ダイナミックスタビライザー(DTS)がその威力を発揮します。DTSは軌道の道床横抵抗力を増加させる一方で、制御しながら初期沈下を発生させて軌道線形の劣化を減少させることができます。そこで当社はポーランドの高速鉄道向けとして、スタビライザー搭載型の機械を提供しました。プラッサー&トイラー社ならではの製品ポートフォリオです。しかもこうしたタイプの機械は、今や世界的トレンドにもなっています。すでに現時点で、当社はスタビライザーユニット搭載型機械を33台製造した実績を誇ります。
機械の受入れテストは、いずれも2020年7月から8月にかけて行われました。ちょうど制約の多かった時期です。新型コロナウイルス感染症の世界的流行や一時的な出入国制限、それに伴う厳しい状況にもかかわらず、納期の遅れを最小限に抑え、研修のために時間を有効に使うことができました。現地でのコミッショニングは、ドイツプラッサー社ポーランド支社が行いました。
2021年、PKP PLK社は分岐自動タンピング支援システム「PlasserSmartTamping – The Assistant」やバラスト品質管理システム、追加機能の付いたデジタルマルチチャンネルレコーダーなどの画期的な機能を搭載した高性能マルタイを追加購入しました。これらの機械は、同年9月にダンツィヒで開かれた国際鉄道フェア「TRAKO」で紹介されました。
民間企業である建設大手のブディメックス社(Budimex)と鉄道インフラ建設に携わるトルポル社(TORPOL S.A.)も、それぞれModularCustomizingの新型マルタイUnimat 09-4x8/4S Dynamicを選びました。これらの機械については、別途特集で詳しく取り上げる予定です。